梅草庵 daily life 第54話

★必要を超える努力

 2月1日(金)に都立高校の推薦入試の合格発表がありました。都立の推薦入試はいわゆる落ちる推薦ですから、塾生の中にも合格できた生徒もいれば、残念ながら不合格だった生徒もいました。いずれにせよ、都立推薦入試を受験する塾生には「やれる努力はしていこう。ただし、落ちて当然、受かったらラッキー。の気構えが大切だ」と伝えてきました。

そのせいもあるのでしょうか、不合格のメンバーの中でも動揺している様子の生徒は見受けられませんでした。

 

 さて、今回合格した塾生の中で一番印象的だったのは、国際高校に見事合格したある生徒の合格報告コメントです。その生徒は、もちろん推薦入試に向け自己PR書や小論文の練習をして度々私の添削を受けていましたが、その一方ですごかったのは学力検査に向けての英作文の練習です。国際高校の英語の入試問題は自校作成として有名ですが、100語程度の英作文が求められます。この英作文のための練習を12月下旬から私に毎週提出し、添削を受けておりました。合計で15枚以上の提出はあったでしょうか?長文読解についても、自習として1日2~3本の長文に取り組んでくれていました。「推薦入試は受けるものの、あくまで学力検査に照準を合わせる。」。この時期として最高の勉強スタンスです。そういったがんばりを続けていたその子からの合格報告は、「受かった実感がありません。」でした(笑)

 

 なぜそのようなコメントになるのか?「嬉しすぎる」・「情報処理が間に合わない」・「突然の解放感」もあるでしょう。こればかりは本人にしかわかりません。ただ、指導してきた側である私が推測するに、そのコメントになった理由の1つには、「アクセル全開で受験勉強をしていて、知らず知らずの内に、必要とされるレベルを超えていたから。」があるように感じます。「(まだまだがんばれたけど)あれ、もう終わりか。」という感覚です。

受験勉強を通じて、合格を勝ち取った喜びはもちろんですが、物事に対し全力で準備をするということを学んだその子は、今後も多方面で自分の力を発揮してくれることでしょう。